サンドアートライフ

北海道で活動するサンドアーティスト、森マサミチのブログです。

退職届を提出した日

f:id:moriblog:20170615215620j:plain

 

ブログは自分の足取りを残すために最適なツールだと思う。

なぜならFacebook やTwitterといった、タイムランですぐに流れてしまうものとは違い、何度でもすぐに読み返すことができるからだ。

 

幸いなことに、2015年からはじめたこのブログはいろんな方に読まれている。

現在の職場の同僚、職場の取引先、クライアント、ファンの方、サンドアーティストになりたい方、サンドアートの同業者、家族、親友、その他にも僕が知らない人たちが毎日読んでくれている。

 

そのブログに、僕が現在籍を置いている会社に、退職届を提出した日「2017年7月3日(月)」の気持ち──、家族の反対、アートを仕事にしていくことへの決意、不安など、現在の心情を嘘偽りなく書き残したいと思う。

 

ちなみに退職日は8月15日(火)です。

 

コンテナ船プランナーという仕事

f:id:moriblog:20170704000808j:plain

このブログのタイトルがそうであるように、初めてお会いする方々からは「サンドアートをメインに仕事をしている」と思われることがある。サンドアートのことばかりをメインに書いているから、そう思われていても仕方がないのだが。

 

僕がサンドアートを始める前から務めている仕事(会社)は、市の貿易に関わる最前線の現場で指揮をとる、「コンテナ(船)プランナー」という特殊な仕事だ。

 

定期的に入港してくるコンテナ船。その船にコンテナを積んだり降ろしたりする貨物(コンテナ)を管理したり、コンテナ船のどこになにを積むのか、降ろすのか、といった、重量に合わせて積み下ろしのポジションを決め、作業プランを作り、外国人のチーフオフィサーと打ち合わせをして、実際に作業をする港湾荷役のプロの方々に計画書をお渡しする役割がコンテナ船プランナーの仕事。

 

特殊な仕事内容なので、現在は主席の僕と弟のような存在の後輩、2人だけがこの業務にあたることができる。その分、どちらかが欠けてしまうと塩梅が悪くなるのだが、、、。

 

取引先から一任されている、コンテナヤードを統括するポジション。

とにかくこの仕事が好きで好きで大好きな仕事なのだ。

 

誰かに何かをグチグチ言われることもなく、お給料やボーナス、退職金といったお金に不満があるわけでもなく、先輩や後輩、取引先に嫌な人がいるわけでもなく、このままずっとサラリーマンとして働いていても幸せな人生が送れることは、僕自身が一番良く知っている。

 

二足の草鞋を履いて活動することは、とても充実した毎日をすごすことができる。

お金の面でも二重の収入になるわけだし(確定申告することになるが)、いろんな方々とお会いできるからだ。

 

そんな嬉しい反面、二兎追うものは一兎も得ず、ではないけれど、コンテナとサンドアートのどちらとも疎かにはできなかった。

なぜなら、些細なミスでも「ほらみろ、2つも仕事を抱えているから失敗したんだ」と他人にあーだーこーだと言われたくはなかったからだ。

 

実際、僕はこれまでコンテナの仕事をおろそかにしたこともなく、サンドアートの仕事も納期をきちんと守り、ステージも無事に終わらせ、誰からも文句を言われることなくキチンと両立してきた。

 

だからこそ、先輩や後輩、取引先の方々も僕のサンドアート活動を応援してくれていた。このまま二足の草鞋で行けると思っていた。

 

なぜ退職届を提出したのか?

f:id:moriblog:20170704003731j:plain

 

二足の草鞋でいけば収入も人脈も増えて嬉しいなー。

そんなことを漠然と考えていたのだが、これまでは僕の睡眠時間を削ってでも対応できていたことが、サンドアートの仕事の増加に伴い、本当に徹夜してでもやらなきゃ終わらない状態になってきたことから、「もう1本に絞ろう」と考え始めた。

 

定時あるいはオールナイトで働き、そのあとでサンドアート。

のんびりしている時間など、ほとんどない。

でも両方とも「好きな仕事」だから、苦痛ではなかった。

むしろもっともっと仕事をしていたかった。

 

 

ただ、僕の身体はそれを許してはくれなかった。

突然襲ってくる頭痛、首と背中の痛み。

「身を削りながら」なんてカッコつけたことを言うつもりはないが、サンドアートの仕事って案外、体力勝負なところがある。

 

今年の1月、急に意識が遠のいて倒れたことがあった。

「まだまだ砂で絵を描きたい」と思っていたのか、砂を握りしめたまま床に倒れてしまったのだ。

 

だからもうダメだと思った。

このままでは、身体が壊れてしまう、と。

 

決意をする瞬間

f:id:moriblog:20170615215626j:plain

じゃあどうする?

コンテナの仕事とサンドアートの仕事、両方とも好きな仕事なのに。

 

1月から4月までの間、とにかくそのことばかりを考えるようになった。

考えすぎて、食事も喉を通らないこともあった。

 

とてもよくしてくれている職場の先輩にも相談した。

親友にも相談をした。

もちろん妻には一番最初に相談した。

 

答えはみんな一緒だった。

 

後悔しないほうを、本当にやりたいほうを、選択しなさい。

f:id:moriblog:20170615215615j:plain

僕の会社、サンドアート北海道には理念がある。

それは、「サンドアートを通じて人と人との絆を深め、笑顔になれる毎日を」だ。

 

サンドアート教室でも、サンドアートのライブ会場でも、映像制作を依頼された方々からも、「ありがとう!」と感謝されることが多かった。

実際にライブ会場では泣いている方もいらっしゃり、ステージを降りたあと僕の手に握りながら「忘れていた大切なことを思い出させてくれました。ありがとうございました」と伝えていただいたこともあった。

 

ちょうどいろいろ悩んでいたときに、ふとライブの映像をみようとパソコンで再生したとき、そのときのようすが映っていたのだ(僕は自分用にその日の反省をするためにライブのようすを映像におさめていている)

 

人に感謝をされる、喜ばれる仕事。

誰かの心と僕の心が直でリンクする仕事。

 

将来的にサンドアートと踊り、歌、演奏、朗読をミックスしたステージを制作することが、僕の最終目標である。

 

サンドアートで独立をしよう。

 

6月上旬、そう僕は決意をした。

 

不安はあるのか?

f:id:moriblog:20170614182943j:plain

ない、といえば嘘になる。

大雑把な性格だと思われがちだが、石橋を最低10回は叩いてから渡るほうだと思う。

そんな僕が独立するということは、それなりに勝算があるからだ。

 

それに、失敗したらまたゼロから始めればいいだけじゃないか。

コンビニでも時給は850円もいただけるのだし。

 

僕が起業したのはこれが初めてではない。

実は12年前に一度起業したことがあり、失敗している。

今だから言えることだけど、命を取られる可能性もあった。

離婚もした。ずっと会っていない息子もいる。

借金、約600万一人で背負った。

でもそれは約3年で全額返済した。

 

ケンカっぱやく、ロクでなし。

だけど根性だけはあったから、借りた金は全額きっちりと返した。

ただ、人から受けた恩だけは、返すことができなかった。

それだけが悔しかった。

 

なぜ失敗したのか?

何が悪かったのか?

なぜ家族が離れていったのか?

 

どん底に落ちたときから、真剣に自分自身を見つめ直すようになった。

 

あれから約12年が経過した。

先日実家に行った際にみつけた、ちょうど12年前に書いた、汚い文字で書いたノートをみつけた。

 

悔しいから絶対にお前らを見返してやる!

 

「人の失敗を笑う奴らがいたので、当時は本当に悔してく泣いたな」

 

そんなことを思い出し、思わず笑ってしまったが、この独立は僕にとってはリベンジでもあるのだ。

 

自分が少しでも活躍していくことで、約12年前に恩を返すことができなかった方々に報いることができたら。

 

僕の気持ちのなかには、そういう想いがあります。

 

 

最後に、「サンドアートは仕事になるのですか?」と訊かれることが多い。

だからいつもこう答えている。

 

「どんな仕事でも、仕事にする(なる)のは自分次第じゃないですか?」と。

 

 

退職届が受理されたけど、退職する日までやることがたくさんあります。

残りの日々を、残す人々にきちんと引き継ぎができるよう努めてまいります。

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

2017年7月4日、2時00分

森 政道(マサミチ)